初めての剪定

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後ろ足のしもやけに苦しみつつも、雪の上での仕事を覚えねばなりません。
足の痒いというよりも、痛いと言ったほうがあっている位の感じでしたが、
無理やり師匠の畑に通いました。
水泡っぽくもなっていたので、軽度の凍傷といってもいいかもしれません。

りんご農家の冬の仕事といえば、りんごの樹の剪定と師匠からは聞いていました。

しかし、にゃんこは、りんごはおろか盆栽の剪定もしたことはありませんでした。
そのうえ、師匠からは「剪定が一番難しい」とおどされていました。

最初、師匠の畑に選定の修行に行ったのは、ワイ化の畑でした。
ワイ化とはりんごの樹の大きさをコンパクトにするために、台木があまり
大きくならない性質のものを接いであるりんごのことです。

むかし、まだ、りんご農家になろうなどと考えていなかったころ、このワイ化の
りんご畑の横を冬に通り過ぎたとき、巨大な魚の骨のような形態の樹がたくさん
連なっていたので、びっくりしたことを憶えています(というか、そのときは
りんごの樹だということすら知りませんでした)。

ところで、師匠のワイ化の畑は、剪定の前段階に行う整枝は既に終わっていました。

整枝とは、読んで字のごとく、「枝を整理する」ということです。この作業で
主に使う道具はノコギリです。
この整枝についてはいずれまた触れるとして、次の段階の作業が剪定となってくると
いうことでした(もちろん、当時は「は~」という感じで、チンプンカンプンでした。

いきなり、ハサミを渡され、「俺のやっているのを真似て、切ってみて」と
言われました。そこで、仕方なく、師匠が切っているところを観察し、何か
見出そうとしましたが、全然わかりません。固まりました。しかも、動かないと寒い。
後ろ足を、タンタンしながらハサミを握りしめ、その場にたたずんでいました。

そのとき、分かったことはりんごの枝というものは、何年も何年もかかって、少しずつ長く、
しかも、下向きに伸ばしていくのがよいようだということです。

そんな何年もかかって伸ばしてきた枝を切るなんて、「これは、難しいぞ」と猫心にも思いました。